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SCOPの活動予定・活動記録を主に書いていきます。


by senshu-scop

2010年06月26日の勉強会レビュー

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6月26日 16:45~18:45

▼テーマ
日本は観光立国になれるのか

▼参考文献
『観光白書』(観光庁)
http://www.mlit.go.jp/statistics/file000008.html
鈴木 勝『観光立国ニッポン事始め』(NCコミュニケーションズ)
鈴木 勝『観光後進国ニッポン、海外に学べ!』(NCコミュニケーションズ)

▼参加者
赤星、内田、小串、尾花、金森、川上、河野、鈴木嗣、鈴木祥、鈴木陽、中橋、二瓶、福田、山口、山根木、山本、和田


▼まとめ
【1】担当者
和田
・担当者はレジュメ持参。


【2】議論の流れ

鈴木(祥):「誘致の分権化」というのは?

和田:国だけではなくて、地方も独自に観光地のアピールをしていく。アピールする先の観光客のニーズに合わせたPRをしていく。

河野:ドラマとのタイアップだけではなく、もっと権限が必要なのか。なぜ、「誘致の分権化」ができていないのか。

和田:地域の協働ができていない。東京と秋田、という具合に複数の都市がプランを共同でつくる。

尾花:ただ権限を与えすぎても逆効果。都市整備の面で難がある。インフラ整備をするときに東京であれば土地がないし、秋田に至っては財源がない。訪日外国人訪問率を見ても、東京だけにかたまっている。関西方面などへも分散させていかないと、都市だけにお金が偏ってしまう。

金森:東京で儲けた分を地方に回していく仕組みを国に作ればいい。

尾花:Jリーグのようなイメージ。みんなで儲けたお金を集めて分配する。

鈴木(祥):観光収入を一回国に集めて、地方のインフラ整備をするために分配する。

小串:観光後進国である理由は?

和田:インフラが整っていない事などが挙げられる。

赤星:旅行客は何を基準に旅行に行くのか?

和田:例えば、韓国であれば温泉、中国であればシュッピングや文化・伝統を知りたいという理由。外国人観光客のニーズは国によって違う。だから、その国のニーズを読んだPR方法をしなくてはならない。外資系企業をつかって旅行プランを作るのが有効だが、日本ではそれが少ない。

中橋:トランジット客の誘致について、関西国際空港はインチョンに勝てるのか?

鈴木(陽):インチョンがターゲットとしている所とは違う層にターゲット合わせるのはどうか。

山本:まずは、発着費用を見直さないといけない。「日本から行った方が安い」という状態にしないとトランジット客は来ない。

尾花:そもそも、外国人が日本に降りるメリットがないと思う。

鈴木(嗣):日本は、物価が高いのも問題。

和田:それほど物価高というわけではなく、物価が高いというイメージがついてしまっている。これを払しょくすることも必要。

河野:1都市集中を懸念しているようだけども、フランスもアメリカもスペインも、都市部に観光客が集まっているのでは。

中橋:どこの地域に観光客を誘致したいのか。

和田:私としては、関西。関西国際空港のインフラを整えれば関西を拠点として、地方に観光客を誘致できる。成田は24時間使えない。滑走路もこれ以上作れない。拠点を関西国際空港にして、関西から地方へ観光客をいかせる。伊丹空港は廃止すべき。そのためにも、関空から大阪市内へのインフラを整備しなくてはならない。

小串:観光立国というのは、GDPに占める観光GDPのわりあいを増やすこと。日本は、訪日外国人が少なく、観光全体の消費の5.7%。フランスでは、37%。日本に外国人に来てもらって、消費してもらうには、何をしなくてはいけないのか。

中橋:観光する先を選ぶときに、インフラを基準に決めるのか? 韓国では日本よりインフラが悪いが人は来ている。日本の観光地に魅力があれば来ると思う。

小串:ヨーロッパの人は東京に来たらそのあとは列車のパスなどで自由に動き回る。別に地方空港のインフラの良し悪しはあまり関係がない。

山本:「どこの人」を「どこ」に連れてきたいのか、を明確にする必要がある。

小串:これからは韓国や中国も経済成長をして、お金も持ってくるのでそれらを狙っていくのがいい。

和田:欧米の人は中国に多く来る。中国に来るついでに、日本に来てもらう。韓国もそうしている。

中橋:では、どうPRしていけばいいのか。

尾花:先進国の人々にどう認知させていくのか。

小串:ビザ緩和という点については、日本は中国・韓国と土俵は同じ。 中国や韓国ではこれから中間層が増えていくので、何もしなくても観光客は増えていくと思う。だが、より伸ばすためには観光会社に頑張ってもらう。

和田:観光業界は経済状態による揺れ幅が大きい。もし景気が悪くなっても、観光客が来てくれるような政策が必要(円高の時に宿泊割引をつける、等)

尾花:(日本のことを)認知させるとしたら、海外のことについて教養があり、興味を持つであろう「教育を受けた人々」を対象にするのがいい。

金森:映画やドラマをきっかけに訪れる人もいる。私もハリー・ポッターを見てイギリスに行った。

山本:日本についての教育という点では、経済や政治の歴史を知っていく中で日本は欠かせないキーワードとなっている。それとは別に、ソフトパワーの輸出。例えばアニメなどを海外に輸出していくことを通して日本を知ってもらうことも考えられる。

小串:日本のアニメの認知度はかなりインターネットの普及も手伝ってかなり高い。フランスやスウェーデン、フィンランド、去年からはバルト三国でも日本についてのイベントが行われている。

福田:日本に興味を持っている人はいて、その人たちをターゲットにして、観光客として日本に来てもらう。その際に、その人たちがどこに行くのかを考えた上でインフラの充実を図ることを進めていかなくてはならない。

小串:ヨーロッパにいて感じたのは、旅行する時のキーワードは「友達」ということ。ヨーロッパでは人の行き来が多い。友達がいるところに行きたくなる。日本の場合、日本から出る留学生の数は減っている。人の生き気が減ってしまうと、外国人観光客の数も減ってしまうのではないか。若者が現地とのつながりを増やしていくことが必要。韓国・中国から日本に来る人たちも、そういう人が多い。

尾花:身近に「日本」があることは重要。

河野:問題は、外国人にとって、日本は住みにくい地域であるということ。日本人の日本語が汚くて聞き取れずコミュニケーションが取れなくて日本のいろんな場所に行かないままに国に戻る学生もいる。労働の面でも、外国人に対して賃金を安くしたり、パワハラをしたりもする。

和田:アンケートを見ると、日本人は礼儀は正しいが、英語力を含めた、外国人とのコミュニケーション力がないと言われる。

福田:インフラなどのハード面も重要だが、語学力、コミュニケーションスキル、労働環境を含めて、外国人にやさしい国にしていくことが必要だし、人的交流を図っていかなくてはならない。その中で、私達が日本の良さを伝えられるようにならなくてはならない。

中橋:観光立国が身近な問題ではなかったので論点が上げづらかったが、色々議論できたので有益だった。

尾花:論点はあやふやだが、発表自体はよく練られていた。

鈴木(祥):知らない事ばかりで議論にあまり参加できなかった。自分でもこの問題について考えていけたらいいと思う。

赤星:論点を絞った方が良かった。

小串:まずインフラと航空代がネックで、それを固めて、そのあとどう中身を詰めていくか。

山本:面白いテーマだった。観光はこれから強くしていかなくてはならない分野。

山根木:知識をつけることができ、とてもためになった。

山口:凄く勉強になった。

鈴木(嗣):外国人訪問者数が先進国で最下位だということがショック。

内田:観光が発展すると国の印象も良くなる。メリットの大きいところを伸ばしていくと、技術革新にもつながる。

金森:今日はとても楽しみにしていたので、たのしかった。

河野:説明が分かりやすかった。もう少し話題を絞ると良かったかも。

川上:自分の知らない事をたくさん教えてもらった。

鈴木(陽):とても分かりやすかった。

二瓶:みんな活発に話せていて、良かった。

和田:今日の論点は広すぎたので、もう少し的を絞った方が良かった。

福田:勉強会に参加された皆さん、お疲れさまでした。
by senshu-scop | 2010-07-18 09:06 | 勉強会報告